猫バス北海道漫遊 六日目 羅臼〜中標津〜厚岸〜根室


ライダーハウス白樺の朝
けっこうみんな早起きだ。
朝食を頼んでないやつらは 早朝出発するか あるいは反対に 寝坊を決めているかのどちらか。

朝食組は 7時からの朝食に向けて 6時ごろから起き出してきた。

ライダー達は どんどん起き出して荷造りを始める。
私も朝食前に 荷造りを始める。

駐輪場所が 土の地面なので 荷物を積んでからバイクを押し引きすると バイクを倒す危険があるため まずバイクを出口まで押していって 平らなしっかりした場所までバイクを移動し センタースタンドを立て それから荷積みをした。

何事も手を抜かず丁寧な仕事が肝要だ。



朝食は二通りあって ひとつはいくら丼 もうひとつは「がごめ丼」というコンブをベースとしたスペシャル丼で パルサーさんのお勧めで私はがごめ丼にすることにした。

がごめとは 北海道の一部で取れる昆布のことで ここ知床ではなく函館近辺でしか採れない貴重なもので 粘りの極めて強い昆布だそうだ。

ただこれだけでは 旨みが足りないので その他色々な旨みの強い昆布や だしを入れて味付けをし 熱いご飯にかけてある。
どんぶりというより お茶づけのようなものだった。

付け合せには 帆立の味噌汁 刺身 香の物だった。

付け合せに付いているのが 珍しいベビー帆立の味噌汁。
出汁がよく出て 美味しかった。

さて がごめ丼だが やや個性の強いものだった。
北海道ツーリングが始めての人は やはりいくら丼をお勧めする。

600円で食べられるいくら丼は なかなか他所ではお目にかからないからだ。


しかし 北海道リピーターなら 一度試してみるといい。
豊かなコンブの旨みが味わえるし 食物繊維が豊富で とても身体に良い。

北海道の海鮮丼といえば 味の濃い キャラターの強いものが多いので 目立たないが
変わったもので美味しいものが食べたかったら 頼んでみるといい。

ただしちゃんちゃん焼きも がごめ丼も白樺に泊まらなければ食べることはできない。

パルサーさんのお勧めだったが 珍しいものにありつけて 感謝している。

北海道で ドラマ「北の国から」は 観光資源と化している。
ここ羅臼も最後のドラマ「北の国から2002 遺言」の舞台になった場所だが 主人公「純」が寝泊りした番屋(漁師小屋)が再現され なかは食堂になっている。

早朝から開いていて 美味しそうな匂いがなかから漂っていた。

だんだん羅臼もウトロのように観光化してきたな・・・と思ったが やっぱり羅臼は私の好きな町のひとつだ。

このくらいの観光化なら まだまだ可愛いものだ。

この小屋をみてドラマを思い出し 物語に浸る人もいるだろうから そんなに悪いものではないのかな・・・・

今日は休養日。

北海道では道東の 釧路 根室 中標津などは 札幌より 2〜3度 日によっては5度くらい気温が低く 真夏のこの時期 贅沢なくらい涼しいのだ。

まだ帰るには日がある。
一番涼しいこの場所にできるだけ留まっていたいものだ。



天気は下り坂らしく わずかな晴れ間はこの中標津の町と海沿いの厚岸 根室だけ。
 少し山側の屈斜路 摩周 阿寒湖などは 雨が降っているらしく 真っ黒な雲が空を覆っていた。

幸いあの雲は動く気配がなく留まっている。

中標津の市街から数キロの開陽台さえ 雨が降っているという。

今日は好きな町 中標津でぶらぶらして それから午後 行き先を決めようと思った。

まずはホームセンター「ルック」を探検する。

ここも昔に比べ 随分普通のホームセンターらしくなって 昔のアナーキーな品揃えはなくなってしまったが それでも 都会のホームセンターにはないものが売っていて 見ているだけで楽しいのだ。

この七輪もダブルになっていて ユニークだ。

私なら 片方で網焼きにして肉を焼き もう一方は鉄板を乗せて 野菜を焼くだろう。

アイデア次第で面白いキャンプができそうだ。
 

他所にはない水産加工コーナーというのがあった。
この商品は「ルック」ではなく バイパス沿いの「ホーマック」で買い求めた 漁師が使う作業ナイフで
「まきり」という。

語源はアイヌ語らしく、北海道や東北北部で使われている。

旅行者にはなかなか手に入らないもので 漁協などで入手できるが 組合員ではない私が手に入れるのは かなり難しい。

この地では 普通にホームセンターで売られている。

鋼(はがね)の本刃が付いていて 使い易そうだ。

作業用の粗末なナイフだが 宝物になりそうだ。

シース(さや)を手に入れて これからどんどん使おう。

永年の腐れ縁 友人のボルティさんからメールが入る。
洞爺湖温泉で駐車禁止の切符を切られたらしい。

バイクなのに・・・・あんなところで駐車禁止 しかもバイク・・・よほど運が悪いのか・・・

本当に運のないやつ。

北海道に昨日来ていたのは知っていた。

毎日メールで私の所在を聞いてきた。

「いまどこ?」

2日前洞爺湖にいることを教えたので 着いてすぐに洞爺湖に行ったものらしい。
2日も経ったら 千キロも移動するから もうそこにはいないのに・・・・

どうやら私に会いたいらしい。

彼は人嫌いであまり人と話さない。
社交的な私とは正反対だが 私のことは気を許してくれているらしく 
たまに一緒に走ることがある。

ただ困るのは 彼と一緒にいて 私が他の人と話すのを嫌い 嫌味をいったりすることだ。
彼が人嫌いなのはしょうがないが 私を束縛するのは 困るのだ。

悪い人ではないが 扱いが難しいところがある。

そういえば2年前北海道上士幌で会ったときも どうやら私が来るまで気長に待っていたらしい。

私がバルーンフェスタに行く事を知って 糠平のユースに連泊していた。
上士幌で会ってからは 一緒にツーリングすることになり 層雲峡ユースに一緒に泊まって 翌日別れた。

今年も彼が上陸前から 毎日メールをくれる。
「いま どこ?」

今年は彼が後発だし 待つのは無理だろうし あのバイクじゃ猫バスに追いつけないし。
もしかして 港で待つのだろうか?
まさかね・・・・

北海道で会えなくても 大阪でしょっちゅう会っているので 無理に待ち合わせすることもないのだが・・・ なんせウチから10分くらいのご近所さんなのだ。

中標津に来ると 昼ごはんはいつも 回転すし寿司ロードへ寄る。
ところがこの日は早すぎて まだ準備中だった。

そこでまた バイパス沿いをブラブラしてみる。

バイパス沿いには 随分大型店舗が増えて ホームセンターや レストラン 超大型スーパー などができていた。

中標津もだんだん大きな町になってきたなぁ。 

北の方のお天気がかなり怪しくなってきたので 南方向へ下ることにする。
昼食は しばらくおあずけ。

釧路方向から直角に曲がって 厚岸(あっけし)に行く。

厚岸に着くと いつもながら霧に悩まされる。
国道沿いの道の駅 厚岸コンキリエにはいってみた。

隣に停まっているのは 黒の猫バス。

へー こんなカラーもあったんだ!
黒もカッコいいなぁ。

厚岸の名物は牡蠣

この時期珍しい生牡蠣にありついた。

いつもは駅前の売店で 牡蠣の駅弁を買うのだが 今日はちょっと贅沢をして 生牡蠣を食べた。

きてよかったー

ちなみにビールは ノンアルコールビールだ。
私はけして飲酒運転をやりません。
当たり前のことだが 誤解のないように!

食後の運動に また走る。
厚岸大橋から 霧多布(きりたっぷ)方面へ。

橋を渡ったとたん濃い霧に包まれた。
地元の人は この霧をガスと呼ぶ。

前が殆ど見えないため 低速の安全走行に徹するが 何台かのバイクに抜かれる。

みんな命がいらないのかな。

途中「ぴーまんず」にメールを入れてみると 何キロか後を走っているらしい。

そういえば 今日は根室の手前に宿をとるらしいことをお聞きしていた。

霧多布まで走ったが あまりにも霧が深く 危険と判断して 国道44号方面にエスケープする。
厚床(あっとこ)で「ぴーまんず」を 待ち伏せしようとするが 時間が遅くなりそうなので やめにした。

そろそろ宿探しをしなければならない。

ここからは 根室のインディアンサマーカンパニーが一番近い宿だが ここは受付時間が早く終ってしまうので 間に合わない。

※ 「ぴーまんず」>大阪のバイク仲間で 火曜日ミーティングのメンバーのなかの こ〜じさん まこちん じゅんちんの三人。 もうひとり しょっちーさんというメンバーもいるが 今回は残念ながらお休みです。 しょっち〜さぁーん カムバァーック>>>>>

ガイドブックで調べて 岬の中ほどにある 居酒屋兼業のライダーハウス「お母婆」(おかば)に電話して 行くことになった。

しかし天候の悪化とともに 夜の来るのが早くなり 霧はますます濃くなって 目的地が見つからない。
電話で聞いてみる。
「あのー 今トモカズ漁港まできているんですが そちらはどこですか?」
「トモカズ?」「それは トモシリです」
「??」・・・・・(爆笑)


ミルク色の霧 そして真っ暗な道を どっちが前やら後やら、さっぱり分らないなか 走り続けて やっとたどり着いた。

見つかったのは ログハウス風の背の高い立派な建物。

居酒屋というと 都会の感覚では 小さな民家や商家を想像するが これってアウトドア系のコテージみたい。(昼に要確認)
ここは居酒屋がやっているライダーハウスで 1500円以上の飲食をすれば 泊めてもらえる。

酒飲みには もってこいの宿。

普通におかずを取ってビールを飲めば すぐに1500円くらい使ってしまうだろう。

勿論 酒を飲めない人でも ご飯メニューは沢山あって 根室名物エスカロップなどもある。

私は鹿肉カレー イカごろ焼き(イカと肝をあえて炒めたもの)ビール 芋焼酎で晩御飯を済ませた。

イカごろ焼きは とても美味しかった。
この日の仲間は 15〜6人。
大型バイク乗りが圧倒的に多い。

私の隣は XV1700ウォーリアーと TRX850の二人連れ。
彼らとはうまが合って かなり話しこんだ。

仲のいいコンビで 喧嘩しているようなぶっきらぼうな会話も お互いを尊重しながら 気遣いあっている様子が見えた。

男友達はいいもんだ。

いい気分をもらって 今日はよく眠れそうだ。



約2名 爆発的ないびきをかくものがいて みんな寝づらいようだったが 私は耳栓を持っているので すぐに寝られた。

寝床に入って1分とかからず寝入ることができるのが 私の特技だ。

私も少しいびきをかくので 朝は気を使うのだが 明日みんなに聞いてみよう。

しかし大きな音だ。耳栓をしていても かなりの爆音が聞こえた。

おやすみ・・・・zzzzzzzzzzz!

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